耐震化検討の進め方の方針決定
耐震化には、耐震改修と建替えの2つの方向があり、まず始めに耐震改修なのか建替えなのかの方針を決定する必要があります。
老朽化の著しいマンション等では、耐震改修と建替えを比較検討し、どちらが合理的であるかを検討した上で、方針決定する必要がありますが、築年数の浅いマンションや比較的簡易な耐震補強等の実施で耐震性能を確保できるマンションでは、耐震改修を前提に耐震化の検討を進めてもよい場合があります。
区分所有者へのアンケート等により耐震改修と建替えとの比較検討を行う必要があるか否かを確認の上、理事会として耐震化検討の進め方の方針を決定します。
また、理事会での検討状況やアンケートの結果等については、適宜、管理組合広報誌等で区分所有者に周知することが大切です。 建替えとの比較検討が不要な場合は「耐震改修推進決議」の準備を進めることとなります。

耐震改修推進決議
耐震改修による耐震化の方向になった場合は、理事会が耐震改修計画の専門家に、耐震改修計画の検討費用の参考見積りを依頼するなどし、「耐震改修推進決議」のための資料を作成することとなります。
理事会は、耐震診断の結果や耐震改修の必要性、耐震改修計画の検討の進め方、検討内容、耐震改修計画の検討費用の参考見積り等を示した上で、管理組合の総会における議案として、耐震改修計画の検討を行うための「計画組織の設置」や「耐震改修計画の検討資金の拠出方法」について提起します。
耐震改修推進決議は、次表の多数決要件を満たした場合に成立します。
耐震診断の内容
議案内容 | 議事資料 | 議決の多数決要件 | |
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計画組織の設置について |
耐震改修計画の検討をするための組織を管理組合理事会の専門機関として設置すること | 組織の設置運営細則案 | 普通決議:区分所有者及び議決権の各過半数 |
議案2 耐震改修計画の検討資金の拠出について |
(1)管理費から拠出する場合
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事業計画、予算案 | 普通決議:区分所有者及び議決権の各過半数 |
(2)修繕積立金から拠出する場合
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事業計画、予算案(管理規約「修繕積立金等の使途」の変更案) | 普通決議:区分所有者及び議決権の各過半数 (規定変更の必要な場合は、特別多数決議:区分所有者及び議決権の各4分の3以上) |
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参考資料:耐震診断の結果や耐震改修の必要性(必要に応じて、建替えとの比較検討の結果)、耐震改修計画の検討の進め方、検討内容、耐震改修計画の検討費用の参考見積り等 |